小宇宙

『小宇宙』
高く深いぬばたまの中
そこだけ白く塗られた点がありました

誰も知らない高い次元
誰もが見ない深きところ
そこに白い点がありました

嵐の中の小舟のように
今にも呑まれそうになりながら
点は在り続けます

誰も気づかなければきっといつか塗りつぶされた点
それに気づいたモノがありました

そのモノはそっと一つ
点に想念を含めました
「我が願うが如く在れ」と

途端
点は周囲の空間を貪るが如く
食い荒らし
あっという間に変わっていきます
点は半概念から実在へと変わります

点は円となり球となり
そして私たちが認知出来ない何かになりました

何かはモノの言霊を叶えます
モノの願うが如く

何かはその中に小さな世界を作りました
モノのためだけの小宇宙
太陽が昇り
月が沈み
雲は流れ
風はそよぎ
山は全てを見つめます
小鳥も
馬も
狼さえ
すべてはモノのためだけに存在する小宇宙

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です