人間の拡張:フェロモンから超意識体まで

人間の拡張:フェロモンから超意識体まで

はじめに

人類の歴史は、自らの限界を超えようとする絶え間ない試みの記録とも言えます。現代社会において、この「人間拡張」の概念は、生物学的な基盤から精神的・技術的な領域まで、多岐にわたる形で議論されています。本稿では、フェロモンの影響から始まり、いじめ問題、意識の拡張、そしてAIと魔術の融合まで、一見異なるトピックを結びつけながら、人間の可能性と課題について考察します。

1. フェロモンと人間社会

人間を含む多くの生物は、フェロモンを通じて互いに影響を与え合っています。これは単なる生物学的現象ではなく、社会的相互作用にも大きな影響を及ぼしています。

  • 感情の伝染:ストレスホルモンの放出が周囲の人々にも影響を与える
  • 集団の雰囲気形成:フェロモンが集団全体の情緒的な状態に影響を与える可能性

この視点は、人間を個体としてではなく、環境と相互作用する複雑なシステムとして捉える「ホロビオント」の概念とも関連しています。フェロモンによる相互作用は、より高度な意識の拡張への第一歩と見ることもできるでしょう。

2. いじめ問題:群れ生物としての人間の「バグ」

いじめは、群れ生物としての人間が持つ複雑な社会的行動の一側面と捉えることができます。この「バグ」は、肉体を持つ生物である限り完全な解決が困難である可能性があります。

なぜ肉体を持つ生物である限り完全な解決は困難か

  1. 生物学的本能:

    • 群れの中での社会的階層の確立や資源の分配に関連する本能的行動が、現代社会でもいじめという形で表出する。
    • コードウェイナー・スミスの「アンダーピープル」のように、遺伝的に組み込まれた行動パターンの変更は容易ではない。
  2. 感情と身体反応の結びつき:

    • ストレスや恐怖、攻撃性などの感情が身体的反応(ホルモン分泌など)と密接に結びついている。
    • グレッグ・イーガンの「ディアスポラ」で描かれるような、完全にデジタル化された存在でない限り、これらの反応を完全に制御することは難しい。
  3. 個体間の物理的相互作用:

    • 肉体を持つ存在である限り、物理的な力関係や空間的な制約が生じる。
    • これは、アーサー・C・クラークの「幼年期の終り」で描かれるような、超能力を持つ存在になるまで解決が困難。
  4. 感覚入力による認知バイアス:

    • 視覚や聴覚などの感覚入力が、他者に対する先入観や偏見を形成する。
    • ウルスラ・K・ル・グインの「闇の左手」のように、性別のない社会でさえ、他の形態の差別が生じる可能性がある。

3. 人間の意識の拡張

いじめ問題の根本的解決や人間性の向上のために、意識の拡張が必要とされています。

なぜ意識の拡張が必要か

  1. 共感能力の拡大:

    • 他者の感情や経験をより深く理解することで、いじめのような行動を抑制できる。
    • オクタヴィア・バトラーの「異形」シリーズで描かれるような、異種間の深い共感と理解が可能になる。
  2. 集合意識へのアクセス:

    • 個々の意識を超えた集合的な意識にアクセスすることで、個人間の対立や偏見を超越できる可能性がある。
    • アーサー・C・クラークの「幼年期の終り」やコードウェイナー・スミスの作品に見られるような、高次の意識状態の実現。
  3. 自己認識の深化:

    • 自身の行動や思考パターンをより客観的に理解することで、負の行動を制御しやすくなる。
    • フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」で探求されるような、自己と他者の境界についての深い洞察。
  4. 現実認識の拡張:

    • 物理的な制約を超えた認識が可能になれば、物理的な力関係に基づくいじめなどが意味を失う可能性がある。
    • スタニスワフ・レムの「ソラリス」で描かれるような、人間の認識を超えた存在との交流の可能性。
  5. 創造性と問題解決能力の向上:

    • より高次の思考や創造性により、社会問題に対する新たな解決策を生み出せる可能性がある。
    • アイザック・アシモフの「ファウンデーション」シリーズにおける「第二ファウンデーション」のような、高度な精神能力を持つ集団の実現。

4. 「人類補完機構」と「アリシア」:超意識体への道

コードウェイナー・スミスの「人類補完機構」とE.E. “ドク” スミスの「レンズマン」シリーズにおける「アリシア」は、人類の進化と意識の拡張という共通のテーマを持っています。両者の比較は、人間拡張の究極的な形態について深い洞察を提供します。

「人類補完機構」と「アリシア」の類似点

  1. 超越的存在:

    • 両者とも、人類の進化の最終段階として描かれる超越的な存在や組織。
    • 個々の人間の意識を超えた、より高次の意識体として機能。
  2. 進化の指導:

    • 「人類補完機構」は人類の進化と運命を管理・指導する。
    • 「アリシア」は宇宙の進化を導く存在として描かれる。
  3. 精神能力の極限:

    • 両者とも、テレパシーや時空を超えた認識など、極限まで発達した精神能力を持つ。
  4. 倫理的ジレンマ:

    • 個人の自由と全体の利益のバランス、進化の過程で生じる犠牲などの問題を提起。
  5. 宇宙規模の影響:

    • 地球や人類だけでなく、宇宙全体の運命に関わる存在として描かれる。

これらの概念は、人間の意識拡張の究極的な姿を示唆しています。個々の人間の意識が融合し、より高次の存在へと進化する可能性を探るものです。

5. 科学的アプローチと魔術的アプローチの融合

人間の拡張、特に意識の拡張を目指す上で、科学的アプローチと魔術的アプローチの融合が注目されています。

科学的アプローチ:

  • 脳-コンピューターインターフェース(BCI)
  • 人工知能との融合
  • 仮想現実(VR)技術
  • 神経科学的手法による脳機能の強化

魔術的アプローチ:

  • 瞑想や儀式を通じた意識状態の変容
  • 象徴体系の操作による高次の現実へのアクセス
  • エネルギー操作や意識の投射技術

両アプローチの融合:

  1. 科学的検証:

    • 瞑想や儀式的実践の効果を脳画像技術などで科学的に検証。
    • マインドフルネス瞑想の効果に関する研究はその一例。
  2. テクノロジーによる伝統的実践の強化:

    • バイオフィードバック技術を用いた瞑想の効果向上。
    • VR技術を利用した儀式的空間の創出。
  3. AIによる魔術的知識の体系化:

    • 古代の魔術的テキストや象徴体系をAIで分析し、新たな洞察を得る。
    • パターン認識技術を用いた占星術や数秘術の再解釈。
  4. 量子物理学との接点:

    • 量子もつれや観測者効果など、量子物理学の概念と魔術的世界観の類似性の探求。
    • 意識が物質世界に与える影響の科学的検証。
  5. 神経可塑性と魔術的訓練:

    • 魔術的実践が脳の構造や機能に与える長期的影響の研究。
    • 神経科学の知見を取り入れた新しい魔術的訓練法の開発。

結論:多面的アプローチの必要性

人間の拡張を考える上で、生物学的側面(フェロモン)、社会的側面(いじめ問題)、技術的側面(AI)、そして精神的側面(魔術)を総合的に考慮することが重要です。これらの異なる視点を統合することで、人間の可能性と限界についてより深い理解が得られるでしょう。

「人類補完機構」や「アリシア」のような概念は、人間拡張の究極的な姿を示唆しています。しかし、そこに至る道のりには多くの倫理的、技術的、そして哲学的な課題が横たわっています。

科学と魔術の融合は、これらの課題に対する新たなアプローチを提供する可能性があります。両者の知見を統合することで、意識の本質や現実の性質についての理解を深め、人間拡張の新たな方法を見出せるかもしれません。

最終的に、人間拡張の探求は、単なる能力の向上だけでなく、人間とは何か、そして我々はどのような存在になりうるのかという根本的な問いへの答えを探る壮大な旅なのです。この旅路において、科学と魔術、理性と直観、個人と集合、そして物質と精神の調和を見出すことが、真の人間拡張への鍵となるでしょう。

日課サボり気味だったら調子悪くなった

ここんところ、忙しさの余り日課が疎かになり気味だった。

バタバタしててそれどころではない!みたいな感じ。

そしたら何か知らんけど焦る気持ちばかりが強くなってきた。自分を見直すことも無くなってた。

体調悪くしてちょっと休み取って、色々反省してたら「日課やらなくなったのは悪手だったのでは無いか」と気付いた。

やはり内省したり、精神のスイッチングに日課が役立つのだろう。緊急事態でやれないことがあるのはともかく、それを続けたのは良くなかった。

まぁ何とかせめて5分。それくらいはやろう。

春分へ向けて

春分に向けて儀式の精度を上げていってる。
日拝、プレ、五芒星小儀礼、生まれなき者の儀式。どれも精度を上げてやってみると結構頭がほわほわする。
魔術用デスクトップの壁紙。DALLE-3使えば良いのではないか。四方と中央作ってClipPaintで合成みたいな。

宇宙の調べ: 西洋儀式魔術と多元宇宙のアンサンブル

西洋儀式魔術の伝統、特に黄金の夜明け団の流れを汲む者として、19世紀の神秘的宇宙観と現代の宇宙学の融合は、新たな視点と知識の探求への道を開く。この探求は、古代の象徴と現代の科学の間に新しい対話を生み出し、宇宙の深遠な理解へと導く可能性を秘めている。
黄金の夜明けは当時最新の技術、電気を儀式に利用した。我らも同じ事をしてはならないという法は有るまい。本物の科学者でもない私が聞きかじりのアイディアを練る様は滑稽かもしれない。しかし一人の魔術師としてのあがきとみて頂ければ幸いである。

多元宇宙理論は、無数の宇宙が存在し、それぞれが独自の物理法則や運命を持つと提唱する。この理論は、宇宙がエネルギーの生成、隆盛、衰退、そして死のサイクルを経ることを示唆し、これらのフェーズは古代の四大元素—地、水、火、風—と対応する。それぞれの宇宙はこのサイクルの特定のフェーズにあり、それらのエネルギー状態は宇宙の物質とエネルギーの動きを定義する。

元素・四方・エネルギー
生成
隆盛
西 衰退
死・停止

多元宇宙理論の一つにエネルギー時空がある。エネルギー時空のコンセプトは、エネルギーと時空の交差点に焦点を当てる。そしてダークエネルギーやダークマターのような現代の宇宙学の問題を探求する新しい枠組みを提供する。このエネルギー時空という仮説は、宇宙のエネルギーの流れと時空の幾何学を結びつけ、魔術的な宇宙観と現代の宇宙理論を融合させる可能性を示唆する。

西洋儀式魔術の象徴的な枠組みと多元宇宙理論を組み合わせることで、新しい祈りや儀式の可能性が生まれる。四方と四大元素、そしてエネルギーの四段階のサイクルは、神秘的な宇宙観を現代の宇宙の理解と結びつける新しい道を開く。それらは祈りや意識のレベルで宇宙の深遠な真理にアクセスする手段となり得る。

さらなる探求の余地として、「上下」の概念、五芒星や六芒星の象徴的意味、そしてそれらが時空の構造や黄道十二宮、天国、生命の木とどのように関連しているのかを考察することが挙げられる。これらの象徴は、新しい宇宙観の創造と神秘的な宇宙観の再解釈を促進する可能性があり、さらなる探求を刺激する。

この交差点での探求は、古代の知識と現代の科学の間で新しい対話を生み出し、宇宙の本質についての深い洞察を提供する可能性がある。新しい宇宙観の創造は、宇宙の神秘と科学の融合を通じて、未知の領域への冒険へと私たちを誘っている。そして、この冒険は、宇宙の深遠な理解と人間の存在の真実を探求するための新しい道を開く可能性を秘めている。

我々は歩みを止めてはいけない。我々は魔術というArtを行う者なのだから。

お絵かきららら

ここのところ、画を描いてる。画といってもむかーしTRPGでキャラの顔などを描いてた位なのでたかが知れているのだが。

目的としてはテレズマの参考になるような物にしたい。

イイ感じのが上がったら、AIで描くときの元絵にしたい。見て貰えば分かるとおり、そんないいもんじゃないので、どーしても背景などとかみ合わないと思うので、自分のは多分使えないから。

昨日有った事、どうでも良い事

昨日、日課で五芒星小儀礼をしたときのこと。

東の方角に五芒星を描きYHVHを唱えた時、ぶわっと強い風を顔面・肩・胸に感じた。このような感覚に届くような事はタマに有る。海の香りがしたり、強い日差しを感じたり。常に起こる事では無く、中々再現出来ない。

その事を(もうちょい詳細に)魔術日記に書きながら思った。こういうふうにして、日課や思い付いた時とかに色々試行錯誤していったりしなかったりしながら続けていくと、有る時ふと違う事が起きる。今回のような事だ。どーでもいいことだったりどーでも良くない事が有って、それの価値を定めて、有用なようだったら再現出来るようにしていく。

そうやって選択したものなのに、不必要なものもあったり、時には後から本に書かれてる内容と符合したり。色々色々あって、気がつくと螺旋が一巻きしている。

私が思う学びというのは螺旋だ。ひたすらに登っていって、登ったつもりが同じようなフェイズを向かえていたりする。ただ、前よりは自分の目線や技量が違ったり、課題の難易度も変わっていたりする。ただまぁそれを超えるのは中々難しい。
もーちょっと頭が良かったり、メンタル面の懸念が無かったら、もっと違ったのだろうけども。
まぁそれは仕方が無い。
自分の持ってるカードで勝負するしか無い。

以前の魔術日記を見れば、さすがに「レベルが上がっている」と感じる。無事に続けてこられて良かったと感じる。それが出来たのは、別に何か秘訣があった訳でも特別な才能があったわけでも無い。たゆまず続けてこれたかと言えばそうでもない。調子を崩し、半年、一年中断した事もある。
そう考えれば、ここまでこれたのもそれだけで十分な成果なのかもしれない。

ボチボチWebアプリを作ってみよう

数年前からタロット占いや、タットワ瞑想のWebアプリを作ってみたいと思ってた。思うだけで全然やって無かったのだけども、ようやく実際に手を動かすことにした。

とはいえ、余り難しい物は作れないので、PythonのFlaskというお手軽なフレームワークを使って作ってみることにしている。

ただまぁ、折角魔術好きが作るアプリなので、作成するソースは無駄の極みをして見ようと思っている。

どういう事かと言えば、仕組み自体は普通のMVCかそれに近いモデルの筈だけど、プロセスにおいて「Temple. Direction. Earth, water, fire, wind. Archangel. Magician.」といった、どっかで聞いた単語でクラスを作り占おうと思って居る。普通にテイッと作っても良いんだけど、それじゃ面白くないからね。

折角自分で趣味で作るんだから、趣味に走らずどうすると。

ま、それで難易度が爆上げになったらあっさり普通に作るけど。

どうなりますやらね。

テレズマのイラストできた(ガブリエル)

先日から取り掛かっていたガブリエルのテレズマ、一応完成。

自力のみでのイラストも悪くないのだが、折角なら流行ってるAI使ってのものにしようと思った。

FlyingDog社のPhotoshopプラグインを導入し、DesignDollで素体を作り、と、全部盛り的に手持ちの手段を投入した。

人物と背景を同レイヤーにしてしまったせいで、終盤の背景修正がめっちゃキツかったし出来もボロボロになったが何とか完成。つーか、最後の方はAIより自力の方が多かった感じ。

ただまぁ、何のかんのと言いつつ自力だけでは絶対描けないクォリティになったので嬉しい。

次はウリエルを描こうと思う。